養子に行った子供には実親の相続権はある?
- 養子縁組とは、実際の血縁関係とは別に人為的に親子関係を発生させることをいいます。
- この関係によって設定された親子関係をそれぞれ養親、養子と呼びます。
- この養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組があり、親子関係、相続権など様々な違いが生じます。
普通養子縁組
養親となる者と養子となる者の契約により養子縁組を成立させます。
- 養子は、実親と養親の2組の親をもつこととなり、実親との法律上の親子関係は残されます。その為、実親と養親の両方の相続権をもちます。
特別養子縁組
家庭裁判所の審判を受けて養子縁組を成立させます。
子の福祉のために養子が実親との親子関係を断ち切り、養子と養親を完全な親子として取り扱います。その為、養親のみの相続権をもつこととなります。
- 特別養子縁組の成立のためには以下の条件を満たす必要があります。(民法第817条の3〜817条の7)
・養親となる者は配偶者のある者でなければならない
・原則、養親となる者は夫婦そろって縁組をしなければならない
(夫婦の一方が他方の嫡出子の養親となる場合は除きます)
・原則、25歳に達していないと養親となれない
- (養親となる夫婦の一方が25歳に達していて、もう一方が20歳に達している場合は除きます)
・特別養子縁組の成立を家庭裁判所に請求する時点で養子となる者が6歳未満であること
(養子となる者が8歳未満で、6歳に達する前から養親となる者に看護されていた場合は除きます)
- ・父母の同意があること
- (父母が意思を表示できない、又は養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合を除きます)
・子の利益のための特別の必要性があること
⇒ ※現在(平成29年11月時点)、法務省は特別養子縁組制度について、養子の対象年齢を【6歳未満】から引き上げることを検討すべく法制審議会に諮問する方針を固めています。これは、様々な理由により親元で暮らせない子供が安定した家庭環境で養育される機会を増やすことを狙いとしています。今後、法制審議会の了承を得たうえで、民法の改正がなされる可能性があります。なお、対象年齢は【15歳未満】【18歳未満】等の案があり、これらを慎重に検討しています。
⇒ ※本日(平成31年1月19日)の発表によると、法務省は特別養子縁組の対象者を【15歳未満】に拡大する方針を固め、通常国会に民法等の改正案提出を目指すようです。また、【15歳~17歳】でも条件を満たせば縁組を認めることを検討しています。その条件とは、①本人の同意がある②15歳になる前から養父母となる人と一緒に暮らしている③15歳までに縁組を申し立てることができなかった事情があるの3点です。なお、新制度においても子の同意は要件とはなりません。
⇒ ※本日(令和2年4月1日)、遺産相続や契約をめぐる法制を大幅に見直した改正民法が施行されました。
虐待・経済的事情等により実父母による養育が難しい子供を救済するための特別養子縁組の制度ですが、利用にあたり年齢制限が障壁になっているとの指摘がありました。その指摘を踏まえ、対象年齢は原則6歳未満から15歳未満に引き上げられました。
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