法定相続情報証明、始まりました。
平成29年5月29日(月)より、全国の法務局にて、各種相続手続きに使用できる「法定相続情報証明制度」が開始されました。
この制度を利用することにより、不動産や銀行等の相続手続きで大量の戸籍謄本を何度も出す必要がなくなり、また、複数の手続きを同時に行うことができるようになります。
制度の流れは下記の通りです。
1.相続関係を証明する戸籍関係書類その他一式を収集
2.法定相続情報一覧図(法定相続人の一覧)を作成
3.申出書を記入し、1.2の書類と併せて管轄の法務局へ提出
4.登記官の確認後、認証文付きの法定相続情報一覧図写しの交付
5.戸籍の束の代わりに各種相続手続きに使用
※戸籍関係書類の中で、被相続人(亡くなった方)の戸籍は「出生から」死亡までのものが必要となりますのでご注意ください。
同じ法務局への申請手続きでも、相続登記の場合は生殖可能年齢として被相続人の約10歳までの戸籍があれば問題ないことが多いです。しかし、法定相続情報証明については不動産登記規則247条に出生からの戸籍が必要と明記されており、10歳までの戸籍では法務局より戸籍の追加提出が求められます。
不動産登記規則第247条3項
被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書 |
なお、相続登記の申請と同時に法定相続情報証明の申請を行う場合は、生殖可能年齢までの戸籍でも大丈夫です。
また、出生からの戸籍が必要なのはあくまでも被相続人であり、それ以外のケースではやはり約10歳までの戸籍で問題ありません。
例えば、兄弟が相続人となる場合の両親の戸籍も死亡から遡って取得する必要がありますが、この場合は必ずしも出生までのものが必要というわけではありません。
※申出人は相続人の方に限られます。なお、司法書士等の資格者代理人に手続きを依頼することができます。
※申出先は、以下の地を管轄する法務局のいずれかを選択できます。
・被相続人(亡くなった方)の本籍地
・被相続人の最後の住所地
・申出人の住所地
・被相続人名義の不動産の所在地
※法定相続情報証明制度に対応していない金融機関もありますので、事前に確認する必要があります。
平成30年2月15日現在、埼玉りそな銀行・三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・ゆうちょ銀行・三菱UFJ信託銀行・三井住友信託銀行などの大手銀行・信託銀行の他、明治安田生命は本制度に対応しているようです。それに対し、信販会社や中小の金融機関の場合、現時点で未対応という事もありますので、事前の対応確認が必要です。
法定相続情報証明制度に関し、ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。
東京都渋谷区渋谷1-8-3 渋谷安田ビル7階
渋谷司法書士オフィス
司法書士 仲川憲行
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